2月 25

昨年夏。当時3歳の娘に「先天性胆道拡張症」という病気があることが分かった。

 そのとき、私は2人目の子供を妊娠していた。つわりがひどく、主人の実家に娘を預けていたのだが、急に激しく「お腹が痛い」と言い出したと連絡があった。近所の町医者に連れて行ってもらった。すると、時間外でも今すぐ大きな病院に行ったほうが良いと言われたそうだ。何がなんだか分からないうちに、義父母と大学病院で待ち合わせて、娘を診てもらった。
 「急性すい炎」と診断。即入院となった。

 検査の結果、娘には「先天性胆道拡張症」という病気があり、その影響ですい炎を引き起こしているとの事だった。
 
 思えば彼女は、これまでも病弱な子供だった。すぐに熱を出すし、冷や汗をかくほどの腹痛にのた打ちまわる事も珍しくない。
 担当医の話では、これまでも何度もすい炎の発作を起こした形跡があるという。たびたび起こっていた激しい腹痛は、その発作だったようだ。
 病気に「先天性」という名前がついていた事で、私はショックだった。お医者さんは、「妊娠中、お母さんが何かしたから娘さんが病気になった、という訳ではないんですよ。予防できる病気ではないんです」と言ってくれたが、娘が私のお腹で育つ過程でその病気が作られた事実は変わらない。それにこれまでの間、たびたびの発作で苦しんでいた娘の病気に、気付いてやれなかった事に対しても、申し訳ない気持ちで一杯だった。

 1ヶ月ちょっとの入院で、すい炎は治まったものの、この根本にある病気を治さない事には、またすい炎の発作を繰り返す事になる。そこで、1度退院して体の調子を整えてから、11月に再入院をして手術に踏み切った。

 入院中、多くの人に言われた。「この子なら耐えられると思ったから、神様は試練を与えたんだよ」と・・・。
 よく使う慰めの言葉。でも、そういうものかもしれない、と私も思っていた。娘がその言葉を、どういう気持ちで聞いているか、深く考えてはいなかった。むしろ、そういうオトナの話を娘がしっかり聞いているとも思っていなかったし、聞いていたとしても理解しているとは思っていなかった。

 あれから1年。
 娘はすっかり元気になった。通院は2ヶ月に1回続いている。
 先日、突然娘が言った。「ママ、あたしびょうきでにゅういんしたでしょ?かみさまが、あたしのからだを、まちがえてつくっちゃったからなんだよ。でもかみさまは、まちがえちゃったからごめんねって、あたしにつよいこころとやさしいこころをおまけでくれたの。だからあたしは、おなかをチョッキンってしてもがんばったし、げんきになったんだよ」
 涙が出そうになった。彼女がいつから自分の病気をそういう形で受け入れたかは分からない。でも幼い心なりに、病気を受け入れ、つたない言葉ながらもそれを伝えてくれた。私には、「だから、ママのせいじゃないよ」と言ってくれたように聞こえた。私は涙を隠すために、あえて明るく「いいなあ。ママもそんな心が欲しかったな」とまぜっかえした。娘は驚いた事に、こういった。「ママ、そんなこといったらダメなんだよ。あたしのこころは、かみさまのごめんねのしるしなの。ママ、びょうきになったらイヤだもん」
 

 これからも娘の通院は一生続く。でも、もう大丈夫。私は、この子の病気を本当の意味で受け入れる事ができた。病気は誰のせいでもない。娘は不運な子でもない。だって、神様からトクベツなココロをもらえた、数少ない子供なのだから。

「病気が教えてくれたこと」エッセイコンテスト

お世話になっているヨッシー様のブログで発見した
アステラス製薬さんのエッセイコンテストの中から1作品抜粋させていただきました。

計り知れない子供の優しい心に感動ほろり

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2 Responses to “かみさまがくれたおまけ”

  1. S野 より:

    子供の純粋さが心に沁みるね。

  2. erika より:

    S野っちへ

    はい。地味に本気で涙涙でした。
    いつまでも純粋でいたいですな…

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